地域や発注者により「出来形帳票」の種類は様々です。
「帳票CAD」は「出来形管理」で使用する「出来形帳票」を作成するCADです。
「サンプル帳票」の作成を通して「出来形帳票」の作り方を説明します。
最初に帳票作成の準備を行います。
「豆図CAD」を操作する前に、印刷した「サンプル帳票」や作成予定の「出来形帳票」を用意します。
用意した帳票の左上から罫線や文字までの寸法を定規で計ります。
この寸法を帳票に書き込むことで、「帳票CAD」で「出来形帳票」を作成する際に、罫線や文字の位置を決めやすくなります。
最近はスキャニングした画像やPDF画像を、画面に透過させて表示するフリーウェアソフトがあります。
これを使用すると、出来形帳票をスキャニングして表示させ、帳票CADでその画像をなぞるように作図できるので、形が決めやすくなり、出来形帳票を定規で計る手間が省けます。
「帳票CAD」ボタンを押すと以下の起動ウィザード画面を表示します。
「新規作成」ボタンを押します。
「帳票情報」の入力画面を表示します。
ここでは、作成した「出来形帳票」を後々探しやすいように「帳票」の情報を入力して「OK」ボタンを押します。
「出来形管理」で使用する「出来形帳票」を、「矩形」や「折れ線」・「文字列」などのCAD機能を使って作成します。
また「出来形帳票」では、「出来形管理」のデータを印字する機能が必要です。
そのため「帳票CAD」では、一般的なCAD機能の他に、「出来形管理」データを配置する機能があります。
「帳票CAD」で使用する機能は以下の通りです。
1.メインメニュー | メインメニューでは作業を切り替えます。 |
---|---|
2.プレビューエリア | 編集中の「出来形帳票」を表示します。 |
3.サブメニュー | メインメニューの切り替えに伴い作業ボタンを配置します。 |
4.「図形」フレーム | CAD機能です。 |
5.「帳票項目」フレーム | 「出来形管理」データを配置する機能です。 |
6.「編集」フレーム | 作成した帳票を編集する機能です。 |
7.「メニュー切替」フレーム | 帳票の作成に必要な機能を切り替えます。 |
8.「色」フレーム | 罫線や文字の色を指定します。 |
9.「線」フレーム | 線種や線の太さを指定します。 |
10.「水平配置」フレーム | 文字の左右の位置を指定します。 |
11.「垂直配置」フレーム | 文字の上下の位置を指定します。 |
「帳票項目」フレームの「出来形管理」データを配置する機能には以下の種類があります。
「フィールド」ボタン | ・・・ | 「出来形管理」データをフィールド(領域)に配置します。 | |
---|---|---|---|
「豆図」ボタン | ・・・ | 「出来形管理」の「豆図」を配置します。 | |
「表」ボタン | ・・・ | 「出来形管理」データを「表形式」にして配置します。 | |
「管理図」ボタン | ・・・ | 「出来形管理」データを「管理図」にして配置します。 | |
「度数表」ボタン | ・・・ | 「出来形管理」データを「度数表」にして配置します。 |
「用紙サイズ」と「向き」を選択します。
メインメニューの「メニュー切替」フレームの「設定」ボタンを押します。
右側の「サブメニュー」に表示する「用紙」ボタンを押します。
用紙サイズを「A4」、用紙の向きを「横」に設定して「OK」ボタンを押します。
プレビューエリアにグリッドを引いた「A4横」用紙を表示します。
この用紙に「帳票CAD」の機能を使って「出来形帳票」を作成します。
その前に、作成する上で便利な機能を紹介します。
モニターに表示した用紙と実際の用紙の大きさの比率です。「表示倍率」が100%の時に、モニターに表示した用紙と実際の用紙の大きさが同程度になります。
用紙左上からのマウスの位置を、Yを縦軸、Xを横軸としたミリメートル(mm)で表します。
マウスの位置と、予め「サンプル帳票」を計った寸法を参考にして「出来形帳票」を作成します。
バーを上下すると「表示倍率」が変わります。
また、マウスホイールを操作しても同様です。
「サンプル帳票」は、各機能を「ブロック分け」して、ブロックごとに順を追って作成します。
1.タイトル箇所(桃) | ・・・ | 「工種」や「種別」を配置します。「フィールド」ボタンを使います。 |
---|---|---|
2.グラフ箇所(茶) | ・・・ | 「グラフ」を配置します。「管理図」ボタンを使います。 |
3.豆図箇所(緑) | ・・・ | 「豆図」を配置します。「豆図」ボタンを使います。 |
4.項目箇所(橙) | ・・・ | 「矩形」や「文字」を描きます。「図形」フレームのボタンを使います。 |
5.フィールド箇所(桃) | ・・・ | 「検測点名」や「規格値」を配置します。「フィールド」ボタンを使います。 |
6.総括表箇所(青) | ・・・ | 「総括表」を配置します。「表」ボタンを使います。 |
7.コピー箇所(黄) | ・・・ | 作成済みの箇所をコピーします。「複写」ボタンを使います。 |
8.測点名箇所(水) | ・・・ | 「測点」を配置します。「表」ボタンを使います。 |
9.表箇所(紫) | ・・・ | 「表」を配置します。「表」ボタンを使います |
10.コピー箇所(青) | ・・・ | 作成済みの箇所をコピーします。「複写」ボタンを使います |
最初に「(6) 総括表箇所」を作成します。
「帳票項目」フレームの「表」ボタンを押します。
マウスをグリッド上で動かすと、X,Yが変化します。用紙の左上がX=0,Y=0です。
「出来形帳票」を定規で測った位置は、左上から右側に40mm、下側に150mmなので、X=40 Y=150 の位置をクリックし、X=85 Y=200までマウスをドラッグします。
すると、「表設定」画面を表示します。
以下手順で操作してください。
次に「行設定」タブを押します。
「サンプル帳票」の行数は10行ですから、「追加」ボタンを10回押します。
「タイプ」プルダウンメニューから「行」の項目を選択します。
空欄箇所はプルダウンメニューから「未設定」を選択します。「サンプル帳票」通りに項目を選択すると以下の通りになります。
なお、「規格値」プルダウンメニューは「行」のタイプに「規格値」を選んだときにのみ設定します。
次に「セル設定」タブを押します。
ここで設定するのは、罫線と数値との間隔です。
左右の余白を1.0mm にして「OK」ボタンを押します。
「OK」ボタンを押すと、プレビューエリアに以下の「表」を作成します
罫線の中の文字が、配置する「出来形管理」データを表しています。
「表」を配置後に、表の大きさを編集する場合には、「変形」ボタンを押して幅と高さを調整します。
「(4) 項目箇所」を作成します
「総括表」の上部に矩形を描きます。「矩形」ボタンを押して、上から14.5cm、左から5.5cmの位置から「グリッド」3枠分ドラッグします。
作図した「矩形」の中に「文字列」を配置します。
「文字列」ボタンを押して、枠の左下に合わせてクリックして、次に枠の右下に合わせてクリックします。
「文字列入力」画面を表示します。
ここに「設計値」と入力して「OK」ボタンを押します。
同じ要領で「実測値」と「差」を入力します。
「矩形」ボタンを押して、配置した文字列を枠で囲みます。
入力した文字をマウスで選択して「活性化」させた状態で、右側の「水平配置」
ラジオボタンの「中央」を選びます。これにより文字を枠の中央に配置します
こちらも同じ要領で、「矩形」ボタンを使用してグリッドに合わせ罫線を引きます。
次に「文字列」ボタンで各文字を入力します。
「(5) フィールド箇所」を作成します。
「フィールド」ボタンを押し、「規格値」の右側の枠に「フィールド」を設定します。
「フィールド」を配置する枠の左上から右下にドラッグします。
すると「フィールド設定」画面を表示します。
「タイプ」プルダウンメニューから「規格値」を選択します。
「詳細設定」の「規格値」プルダウンメニューから「値」を選択します。
「測点番号」と「検測点番号」は何れも「1」にします。
「OK」ボタンを押すと、画面に「規格値」の「フィールド」を配置します。
同じように、「測定項目」の右側に「検測点」フィールドを配置します。
「フィールド」ボタンを押し、「測定項目」の右側の枠に「フィールド」を設定します。
「フィールド」を配置する枠の左上から右下にドラッグします。
すると「フィールド設定」画面を表示します。
「タイプ」プルダウンメニューから「検測点名」を選択します。
「検測点番号」を「1」にします。
「OK」ボタンを押すと、画面に「検測点名」の「フィールド」を配置します。
「矩形」ボタンを押して、「フィールド」を配置した枠に「矩形」を作図します。
「(7) コピー箇所」を作成します。
「矩形」ボタンと「文字列」ボタンと「フィールド」ボタンで作成したこの箇所を右側に複写します。
複写する前に「グループ化」を行います。
複写元となる「矩形」と「文字列」をマウスで外側からドラッグして活性化させます。
この状態で「グループ化」ボタンを押すと1つのグループになります。
グループを活性化させた状態で「複写」ボタンを押すと複写します。
コピーしたグループを、右側のコピー箇所に移動させて配置します。
「(8) 測点名箇所」を作成します。
「表」ボタンは「出来形管理」データを「表形式」にして配置します。
「表」ボタンで作成する「表」は列幅が均等になります。「サンプル帳票」は、「設計」・「実測」・「差」の列と比べて「測点又は区別」の列の幅が広いことから、列幅の違う2箇所に分けて「表」を作成します。
「表」ボタンを押して「表」を配置する枠の左上から右下にドラッグします。
すると、「表設定」画面を表示します。
以下手順で操作してください。
次に行設定タブを押します。
次に「セル設定」タブを押します。
左右の余白を1.0mm にして「OK」ボタンを押します。
すると、「測点又は区別」列に「表」を配置します。
「(9) 表箇所」を作成します。
「設計値」・「実測値」を表形式で配置します。
「表」ボタンを押して、「表」を配置する枠の左上から右下にドラッグします。
すると、「表設定」画面を表示します。
以下手順で操作してください。
次に行設定タブを押します。
次に「セル設定」タブを押します。
左右の余白を1.0mm にして「OK」ボタンを押します。
すると、「設計値」・「実測値」・「差」の列に「表」を配置します。
「(10) コピー箇所」を作成します。
作成済の箇所を右側に複写します。
複写する前に「グループ化」を行います。
複写元となる完成済の項目をマウスで外側からドラッグして活性化させます。
この状態で「グループ化」ボタンを押すと1つのグループになります。
グループを活性化させた状態で「複写」ボタンを押すと複写します。
コピーしたグループを、右側のコピー箇所に移動させて配置します。
複写した箇所の「開始測点番号」を変更します。
コピーした中央のグループを活性化させた状態で、「グループ解除」ボタンを押します。
先に「表」ボタンで作成した「測点名」の「開始測点番号」は「1」になっています。
コピー先ではこれを変更する必要があることから、測点の「表」を活性化した状態で「プロパティ」ボタンを押します。
測点の「表設定」画面を表示します。「行設定」タブを押します。
中央に配置する「表」は2カ所目ですので、「開始測点番号」を「11」と設定して「OK」ボタンを押します。
先に「表」ボタンで作成した「設計値」・「実測値」・「差」の「開始測点番号」は「1」になっています。
コピー先ではこれを変更する必要があることから、測点の「表」を活性化した状態で「プロパティ」ボタンを押します。
測点の「表設定」画面を表示します。「行設定」タブを押します。
中央に配置する「表」は2カ所目ですので、「開始測点番号」を「11」と設定して「OK」ボタンを押します。
複写した右端のブロックの「開始測点番号」を変更します。
コピーした右端のグループを活性化させた状態で「グループ解除」ボタンを押します。
先に「表」ボタンで作成した「測点名」の「開始測点番号」は「1」になっています。
コピー先ではこれを変更する必要があることから、測点の「表」を活性化した状態で「プロパティ」ボタンを押します。
測点の「表設定」画面を表示します。「行設定」タブを押します。
右端に配置する「表」は3カ所目です。「開始測点番号」は「21」と設定して「OK」ボタンを押します。
先に「表」ボタンで作成した「設計値」・「実測値」・「差」の「開始測点番号」は「1」になっています。
コピー先ではこれを変更する必要があることから、測点の「表」を活性化した状態で「プロパティ」ボタンを押します。
測点の「表設定」画面を表示します。「行設定」タブを押します。
右端に配置する「表」は3カ所目です。「開始測点番号」は「21」と設定して「OK」ボタンを押します。
「(2) グラフ箇所」を作成します。
管理図の左側の「矩形」と「文字列」を、「矩形」ボタンと「文字列」ボタンを使い作図します。
次に「管理図」ボタンを押して、「管理図」を配置する枠の左上から右下にドラッグします。
「管理図設定」画面を表示します。
以下手順で操作してください。
グラフを配置した後、グラフの見栄えを良くするために、「折れ線」ボタンを使い、黒色の太い線で中心線を上書きします。
「(3) 豆図箇所」を作成します。
「矩形」ボタンを押して「豆図」箇所の「矩形」を作図します。
「豆図」ボタンを押して「豆図」を配置する場所をドラッグで指定します。
配置後は編集画面に破線で豆図枠を表示します。
「(1) タイトル箇所」を作成します。
「折れ線」ボタンを押して、タイトルの下線を作図します。
「文字列」ボタンを押して、文字サイズを「4.5」に設定して、「工種」・「種別」・「測定者」・「印」を作図します。
「フィールド」ボタンを押し「工種」・「種別」・「測定者」それぞれにフィールドを設定します。
フィールドを配置する枠の左上から右下にドラッグします。
するとフィールド「設定画面」を表示します。
「タイプ」プルダウンメニューから、それぞれのタイプを選択して「OK」ボタンを押します。
「フィールド」で設定した「工種」・「種別」・「測定者」の文字を、大きく印字させるために「文字サイズ」を「5.5」に設定します。
「工種」・「種別」・「測定者」の「フィールド」をマウスで選択して活性化させます。
この状態で「書式」ボタンを押して文字サイズを「5.5」に設定します。
「出来形帳票」の右上に「ページ番号」を設けます。
「ページ番号」のフィールドを左側に配置し、間に「/」を作図し、右側に「総ページ数」のフィールドを配置します。
それぞれのフィールドを配置する枠をドラッグします。
「フィールド設定」画面を表示します。
「タイプ」プルダウンメニューから、それぞれの場所に配置する「ページ番号」と「総ページ数」を選択して「OK」ボタンを押します。
最後の仕上げに「文字列」ボタンを押してタイトルを設定します。
文字サイズを「7.0」に設定して、「出来形管理図表」と入力します。
「OK」ボタンを押して「出来形帳票」の完成です。
「帳票CAD」で作成した「出来形帳票」は、以下のような「出来形管理帳票」となります。