代表取締役メッセージ

 

パソコンとの関係について

 当社には「ソフト開発を通じて世の中の役立つ」という、創業以来変わらぬ企業理念があります。1992年に土木技術者向けのパッケージソフトをリリースして以来30年余りが経過しました。
 この間に、事業所ではパソコンの導入が進み、業務が効率化したと考えがちですが、現実はそのようになっていないことに危惧を覚えるものです。

 ある市役所でパソコン導入前と導入後の業務の効率化を、プロジェクトチームを作り1年半掛けて調査したところ、「ファイルを探す時間が増えたので効率化していない」との結論を得たそうです。
 これは、ファイルが書類や図面のように整理されていないことを表すものであり、共有フォルダがファイルの整理に適していないことが原因です。
 そして、私が危惧する大きな問題点は、「誰もそのことに気づかない」ことです。

 パソコンが普及して40年が経過した今日でも、この程度の問題を解決出来ない原因は、おそらく私たちの「パソコン感」にあります。
 私たちは、「業務をパソコンに合わせれば効率化する」と考えてきました。この関係はパソコンが主であり、業務が従のといった状態です。そのため、上手くいかないことが起きても、パソコンを疑うことをしないのです。原因は従にあると考えて対処しようとするのですが、市役所の問題でも分かる通り、それでは原因を特定できずに、いつになっても対処できないのです。

 パソコンはただの装置に過ぎません、まして個人向けに開発されていますので、組織で使うには仕組みや工夫が必要になるのは当たり前なのですが、パソコンの不備な点には一切目を向けないのです。
 それどころか、「パソコンは個人管理」とか、「人のパソコンを勝手に操作してはいけない」といった、運用上の作法まで存在します。
 しかし、組織は分業した共同作業が基本ですので、パソコンの個人管理的な運用は効率化を阻害するばかりでなくトラブルの元になるのです。

 単なる装置を導入しただけで、組織運営に必要なルールまで変わったというのは驚くべきことなのです。
 私たちは、過度に信頼しているパソコンとの関係を見直す必要があります。その上で、業務に適した運用方法に見直す必要があると考えるものです。

代表取締役社長 西野晴仁
2024年3月

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