レッスン7日目

今日は「基本設計データ」の作成です。

『土木技クラウド』を動作させ、「データチェック用」の資料と「基本設計データ」を出力します。

さあ、張り切っていきましょう。

第四章 基本設計データの出力

『土木技クラウド』にログインして、「設計書入力」アイコンをクリックします。

「起動ウィザード画面」を表示します。

「ファイルを開く」ボタンを押します。

起動ウィザード画面 起動ウィザード画面

「ファイルを開く」ダイアログを表示します。

「TS出来形レッスン」フォルダの、「6日目(TS出来形管理対象の設定).rsf」を選択して、「開く」ボタンを押します。

ファイルを開くダイアログ ファイルを開くダイアログ

「平面図」画面を表示します。

平面図画面 平面図画面

基本設計データのチェック

作成した基本設計データは、その内容が正しいことを証明するために、発注者から渡される設計図書(平面図、縦断図、横断図等)や線形計算書等と間違いがないかを照合します。

照合した結果は、「基本設計データチェックシート」に記入して、監督職員に提出します。

※「基本設計データチェックシート」は、発注機関ホームページ、または発注者より入手します。

基本設計データチェックシートに基づいてチェックする内容

基本設計データチェックシートに記載されている、設計図書や線形計算書等と照合する内容は以下の通りです。

項目 対象 内容
基準点及び
工事基準点
全点 監督職員の指示した基準点を使用しているか?
工事基準点の名称は正しいか?
座標は正しいか?
平面線形 全延長 起終点の座標は正しいか?
変化点(線形主要点)の座標は正しいか?
曲線要素の種別、数値は正しいか?
各測点の座標は正しいか?
縦断線形 全延長 線形起終点の測点、標高は正しいか?
縦断変化点の測点、標高は正しいか?
曲線要素は正しいか?
横断線形 全延長 作成した横断面形状の測点、数は適切か?
幅、基準高、法長は正しいか?
現況地形との交点は正しいか?
チェック対象とチェックする内容

線形計算書(中心点座標リスト)の出力

設計図書や線形計算書等と照合するための線形計算書を出力します。

基本設計データチェックシートに記載されている、線形計算書に対して照合する内容は以下の通りです。

項目 対象 内容
基準点及び
工事基準点
全点 監督職員の指示した基準点を使用しているか?
工事基準点の名称は正しいか?
座標は正しいか?
チェック対象とチェックする内容

「ファイル」ボタンを押します。

平面図画面 平面図画面

「ファイルメニュー」画面を表示します。

「構築物種別」が「道路土工」の場合は「線形計算書出力」ボタンを押します。

「河川・海岸・砂防土工」の場合は「中心点座標リスト出力」ボタンを押します。

「構築物種別」が「道路土工」の場合

ファイルメニュー画面 ファイルメニュー画面

「構築物種別」が「河川・海岸・砂防土工」の場合

ファイルメニュー画面 ファイルメニュー画面

「名前を付けて保存」ダイアログを表示します。

「ファイル名」を入力して「保存」ボタンを押し、ローカルフォルダにCSVファイルを保存します。

「名前を付けて保存」ダイアログ 「名前を付けて保存」ダイアログ

出力したCSVファイルはエクセルで開き印刷して使用します。

IP点リストの出力

IP点リストの出力をします。

IP法により曲線を設定していない場合には、出力する必要はありません。

「IP点リスト出力」ボタンを押します。

ファイルメニュー画面 ファイルメニュー画面

「名前を付けて保存」ダイアログを表示します。

「ファイル名」を入力して「保存」ボタンを押し、ローカルフォルダにCSVファイルを保存します。

「名前を付けて保存」ダイアログ 「名前を付けて保存」ダイアログ

出力したCSVファイルはエクセルで開き印刷して使用します。

基準点リストの出力

設計図書や線形計算書等と照合するための工事基準点リストを印刷します。

基本設計データチェックシートに記載されている、工事基準点リストに対して照合する内容は以下の通りです。

項目 対象 内容
基準点及び
工事基準点
全点 監督職員の指示した基準点を使用しているか?
工事基準点の名称は正しいか?
座標は正しいか?
チェック対象とチェックする内容

「基準点リスト出力」ボタンを押します。

ファイルメニュー画面 ファイルメニュー画面

「名前を付けて保存」ダイアログを表示します。

「ファイル名」を入力して「保存」ボタンを押し、ローカルフォルダにCSVファイルを保存します。

「名前を付けて保存」ダイアログ 「名前を付けて保存」ダイアログ

出力したCSVファイルはエクセルで開き印刷して使用します。

平面線形の印刷

設計図書や線形計算書等と照合するための平面図を印刷します。

基本設計データチェックシートに記載されている、平面線形に対して照合する内容は以下の通りです。

項目 対象 内容
平面線形 全延長 起終点の座標は正しいか?
変化点(線形主要点)の座標は正しいか?
曲線要素の種別、数値は正しいか?
各測点の座標は正しいか?
チェック対象とチェックする内容

「平面図」アイコンをクリックします。

ファイルメニュー画面 ファイルメニュー画面

「平面図」画面を表示します。

「印刷」ボタンを押します。

平面図画面 平面図画面

「平面図印刷設定」画面を表示します。

平面図印刷設定画面 平面図印刷設定画面

「印刷」ボタンを押します。

印刷した平面図と、設計図書や線形計算書等を照合します。

縦断線形の印刷

設計図書や線形計算書等と照合するための縦断図を印刷します。

基本設計データチェックシートに記載されている、縦断線形に対して照合する内容は以下の通りです。

項目 対象 内容
縦断線形 全延長 線形起終点の測点、標高は正しいか?
縦断変化点の測点、標高は正しいか?
曲線要素は正しいか?
チェック対象とチェックする内容

「縦断図」アイコンをクリックします。

平面図画面 平面図画面

「縦断図」画面を表示します。

「印刷」ボタンを押します。

縦断図画面 縦断図画面

「縦断図印刷設定」画面を表示します。

縦断図印刷設定画面 縦断図印刷設定画面

「印刷」ボタンを押します。

印刷した縦断図と、設計図書や線形計算書等を照合します。

横断面形状の印刷

設計図書や線形計算書等と照合するための横断図を印刷します。

基本設計データチェックシートに記載されている、出来形横断面形状に対して照合する内容は以下の通りです。

項目 対象 内容
横断線形 全延長 作成した横断面形状の測点、数は適切か?
幅、基準高、法長は正しいか?
現況地形との交点は正しいか?
チェック対象とチェックする内容

「横断図」アイコンをクリックします。

縦断図画面 縦断図画面

「横断図」画面を表示します。

「印刷」ボタンを押します。

横断図画面 横断図画面

「横断図印刷設定」画面を表示します。

横断図印刷設定画面 横断図印刷設定画面

「印刷」ボタンを押します。

印刷した横断図と、設計図書や線形計算書等を照合します。

基本設計データの出力

いよいよ「基本設計データ」の出力です。

出力時には、「TS出来形管理」に必要な「工事名」・「路線名」・「施工業者名」の確認及び、線形選択画面で追加した「線形」の出力の可否設定を行います。

「TS出来形」ボタンを押します。

横断図画面 横断図画面

「TS出来形」メニュー画面を表示します。

「基本設計データ出力」ボタンを押します。

TS出来形メニュー画面 TS出来形メニュー画面

「基本設計データ出力」画面を表示します。

基本設計データ出力画面 基本設計データ出力画面

内容を確認し「出力」ボタンを押します。

※工事名・路線名・施工業者名を変更すると、工事情報編集画面(工事情報)の情報も書き換わるので、注意が必要です。

「ファイル管理情報設定」画面を表示します。

XML出力をする際に、出力した履歴を書き込みます。初回出力時は、「新規作成」のみ選択可能です。

初回時の出力画面 初回時の出力画面
2回目以降の出力画面 2回目以降の出力画面

「新規作成」は、1回目として出力する際に使用します。

「ファイルの変更履歴を追加しない」は、修正はないがXML出力を再度行う際に使用します。

「ファイル変更履歴を追加する」は、履歴を残す際に使用します。

TS出来形は、設計変更の履歴を残す必要が有ります。設計変更があった際は、こちらを使用します。


変更理由は、変更した理由がわかるように文章を記載します。


設定を終了して「出力」ボタンを押します。

現場施工

「基本設計データ」を、出来形管理用TSソフトウェアを用いて現場管理する方法をご紹介します。

現場でTS出来形管理をするために

『土木技クラウド-TS出来形管理』を使用して作成した「基本設計データ」は、施工現場にて「出来形管理用TSソフトウェア」を搭載した端末(電子野帳)に取り込み、出来形計測を行います。

TS出来形管理を行うためには、以下の条件を満たした「出来形管理用TS」と「出来形管理用TSソフトウェア」が必要になります。

「出来形管理用TS」の計測性能と精度管理

出来形管理用TSは、国土地理院認定3級と同等以上(100mの計測距離で±5.5mm以内)の計測性能を有し、適正な精度管理が行われている機器を使用し、請負者は利用するTSの性能について監督職員の承諾を受ける必要があります。

「出来形管理用TSソフトウェア」の機能

出来形管理用TSソフトウェアは、以下の機能を有したソフトウェアを使用する必要があります。

  • 施工管理データの読み込み機能
  • 線形データの切り替え選択機能
  • TSとの通信設定確認機能
  • 管理断面での出来形管理機能
  • 出来形計測データの登録機能
  • 監督検査現場立会い確認機能
  • TSの器械位置算出機能
  • 基本設計データの確認機能
  • 任意点での出来形確認機能
  • 計測距離制限機能
  • 出来形計測データの取得漏れ確認機能
  • 施工管理データの書き出し機能
Point

『土木技クラウド』には、「出来形管理用TSソフトウェア」機能はありません。

現場施工

TS出来形管理を行うことで、以下の通り従来の作業の効率化を図ることが出来ます。

逆打ち計算が便利

「出来形管理用TSソフトウェア」は、計測した位置と、その位置の設計値と実測値をリアルタイムで計算します。

管理測点だけでなく任意点に対しても有効なため、従来の手計算による位置の割り出し作業と比べると、作業効率が上がり、現場での人為的ミスが低減されるため、品質の向上にも繋がります。

丁張り掛け

任意点に対しての逆打ち計算がリアルタイムに行えるため、丁張りを設置しようとしている箇所で計測すると、計画位置からどれだけずれているかを「出来形管理用TSソフトウェア」が示します。

現場測定

出来形管理用TSを用いて、測定を行います。

出来形管理用TSは工事基準点上に設置しますが、設置が難しい場合は、後方交会法によって任意の未知点に設置することで測定を行います。

TS出来形管理における出来形計測箇所と規格値(道路土工)

出来形管理用TSを用いて測定する計測点は、下図のように決められています。

  • 道路中心
  • 法面小段
  • 道路端部
  • 法肩
  • 法尻

各計測点に対する規格値は、下表の通りです。

TS出来形管理における出来形計測箇所と規格値(河川・海岸・砂防土工)

出来形管理用TSを用いて測定する計測点は、下図のように決められています。

  • 法線
  • 法面小段
  • 端部
  • 法肩
  • 法尻

各計測点に対する規格値は、下表の通りです。

中間検査

TSを用いた出来形管理を行う際、発注者側の下記担当者が立会いの下、中間検査を行います。

中間検査等によって、1測点に対し、最大3回の出来形測定を行うことがあります。

監督職員

監督職員は、TS出来形管理の要領に記載されている内容を確認及び把握するために立会います。

請負者側は、監督職員が確認、把握及び立会いするために必要な準備、人員及び資機材等の提供並びに写真その他資料の整備を行います。

Point

監督職員は、以下の内容を確認します。

  • 工事基準点の設置状況確認
  • 基本設計データによる照査
  • 出来形管理状況の確認及び立会い確認

検査職員

検査職員は、施工計画書等の書類により監督職員との手続きを経て、出来形管理の実施情況の検査をします。

請負者側は、TS出来形管理の要領に記載された条件を満たす使用機器を用いて、検査職員が指定する箇所の出来形検査を行うことで、出来形管理資料に記載された内容を検査します。

Point

検査職員は、以下の内容を確認します。

  • 出来形計測に関わる書面検査
    • 出来形管理用TSに関わる工事基準点の測量結果等
    • 基本設計データチェックシートの確認
  • 出来形計測に関わる実地検査
    • 検査職員が指定する管理断面の出来形検査