レッスン準備

最初はレッスンの準備です。参考図面のダウンロードをおこないます。

1章は「TS出来形管理」及び「クラウド」の説明です。理解されている方は2章からお読み下さい。

第一章 TS出来形とは

用意するもの

「TS出来形入門」では、アプリケーションを操作してサンプルデータを作成します。

以下のパソコンを用意し、参考図面をダウンロードすることで、レッスンスタートです。

  1. パソコン

    インターネットに接続可能なWindowsパソコンで動作します。(スマートフォンやタブレットPCでは動作しません。)

    OSとブラウザの関係は以下の通りです。

    Windows Macintosh
    OS Windows 10 Windows 8.1 Windows 8 Windows 7 Windows
    Vista
    Mac OS 10.6 以降
    (インテルベース)
    ブラウザ Internet
    Explorer
    11以上
    Internet
    Explorer
    11以上
    Internet
    Explorer
    10以上
    Internet
    Explorer
    8以上
    Internet
    Explorer
    7以上
    Safari 4 以降
    Firefox 12 以上
    Google Chrome 41 以上 -
  2. 参考資料

    「TS出来形入門」では、サンプルデータ作成用の参考資料が必要です。

    レッスンに入る前に、8日間で学ぶ「TS出来形入門」資料をダウンロードして解凍して下さい。

    解凍したフォルダには以下のファイルが入っています。

    • 参考図面

      【本線用】

      • 平面図(TS出来形入門).pdf
      • 縦断図(TS出来形入門).pdf
      • 横断図(TS出来形入門).pdf
      • IP線形計算(TS出来形入門).pdf

      【支線用】

      • 支線平面図(TS出来形入門).pdf
      • 支線縦断図(TS出来形入門).pdf
      • 支線横断図(TS出来形入門).pdf
      • 支線IP線形計算(TS出来形入門).pdf
    • 参考図面から作成した「設計書入力」アプリケーションの入力データ
      • 設計書入力データ(TS出来形入門).rsf
    • 参考図面から作成した「基本設計データ」
      • 基本設計データ(TS出来形入門).xml
    • 「施工管理データ」
      • 国道1号線バイパス施工管理データ.xml

TS出来形管理の概要

「TS出来形管理」は、現在一般的に利用されている巻尺・レベルに代り、TS(トータルステーション)を用いて出来形を管理する技術です。

国土交通省の発注工事について

平成25年度から、国土交通省発注工事に於いて、『情報化施工推進会議』のアクションプラン通り、「TS出来形管理技術」が原則化されました。

『情報化施工推進会議』のアクションプラン

(国土交通省情報化推進会議より抜粋) (国土交通省情報化推進会議より抜粋)

なお、平成25年度から使用を原則化した工事の対象は以下の通りです。

使用を原則化する技術(一般化技術) 使用原則の対象(使用原則化工事)
TSによる出来形管理技術(土工) 10,000立方米以上の施工規模以上の土工を含む「TSを用いた出来形管理要領(土工編)」が適用出来る工事

都道府県の発注工事について

国土交通省の『情報化施工推進会議』は、地方公共団体の発注する工事が、公共事業全体の約7割を占めるため、地方公共団体への展開を図ることは、情報化施工を推進する上で非常に重要と位置づけ重点目標を定めました。

地方公共団体への展開に関する重点目標

地方公共団体へ情報化施工の普及を促進するため、情報化施工の周知を積極的に行うとともに、一般化技術については、地方公共団体の発注する工事への展開を図る。

これにより、平成30年度(2018年度)までに、全ての都道府県と政令指定都市が発注する工事においても、一般化技術の活用を目指す。

(国土交通省情報化推進会議より抜粋)

TS出来形管理の流れ

従来の出来形管理は、設計値と実測値の差によって構造物の形状を管理します。

「TS出来形管理」も同様です。違いは設計値と実測値に座標値を用いるところです。


新しい技術と言っても、全ての工事が「TS出来形管理」の対象になる訳ではありません。

「TS出来形管理」の基準は、土工編と舗装工事編に分かれていて、平成25年より使用を原則化したのは、「10,000立方米以上の施工規模の土工を含む「TSを用いた出来形管理要領(土工編)」が適用出来る工事」になります。


レッスンで使用する「土木技クラウド」は、この土木編に対応しています。


多くの経験者は、「TS出来形管理」の難かしさは、「基本設計データ」を作ることと言います。

「TS出来形管理」を行う上で、一番上流に位置し、最初に行うのが「基本設計データ」の作成です。

現場技術者の多くは、設計図書から構造物の座標値を測量計算で求める事に慣れています。

この座標値に特定のルールで「検測点」の情報を加えたものが「基本設計データ」になります。


そのため、「測量ソフト」を理解されている方であれば、「基本設計データ」の作成は容易なことと、理解いただけると思います。

TS出来形管理の概略図 TS出来形管理の概略図

流れと必要機材

「TS出来形管理」に必要な機材、ソフトウェア、作業内容の流れは以下の通りです。

TS出来形の流れ TS出来形の流れ
工程 ①基本設計データの作成 ②基本設計データのチェック ③「現場計測」及び「中間検査」、「施工管理データ」の作成 ④出来形帳票(出来形管理データ)の作成 ⑤電子納品データの作成 ⑥「竣工検査」
ソフトウェア種類 基本設計データ作成ソフトウェア 基本設計データ作成ソフトウェア 出来形管理用TSソフトウェア 出来形帳票作成ソフトウェア 電子納品データ作成ソフトウェア 電子納品ビューア・出来形管理用TSソフトウェア
使用機材 パソコン パソコン TSもしくはTSに接続する端末パソコン パソコン パソコン パソコン、TSもしくはTSに接続する端末パソコン
作業内容 基本設計データの入力と、入力値チェックシートの作成 入力値チェックシートによる作成データのチェック。基本設計データの出力 基本設計データを取り込み、現場計測。中間検査の実施、施工管理データの作成 施工管理データを取り込み、出来形帳票(出来形管理データ)の作成 施工管理データ及び、出来形管理データを取り込み、電子納品データの作成 電子納品データによる屋内検査、施工管理データによる現場検査実施
作成する成果物 基本設計データのチェックシート 基本設計データ(XML) 施工管理データ(XML) 出来形帳票(出来形管理データ)(PDF) 電子納品データ
今回使用するデータ サンプルの設計図書 サンプルの設計図書 サンプルの設計図書から作成した基本設計データ サンプルの施工管理データ サンプルの施工管理データと出来形管理データ
当社製品一覧 『土木技クラウド』-「TS出来形管理」-「設計書入力」 『土木技クラウド』-「TS出来形管理」-「設計書入力」 当社では用意しておりません。 『土木技クラウド』-「TS出来形管理」-「出来形管理」 『土木技』-「電子納品システム」

クラウドサービスとは

「TS出来形入門」では、参考図面の入力を通して「基本設計データ」の作成と、「施工管理データ」から「出来形帳票」を作成する方法を学びます。

使用するアプリケーションは、当社の『土木技クラウド』-「TS出来形管理」サービスです。

「クラウド」とは

「クラウド」という、新しい技術について説明します。

これまでのアプリケーションは、パソコンにインストールする必要がありました。これに対してクラウドでは、アプリケーションはインターネット接続先のサーバー上で動作します。

そのため、インターネットに繋がるパソコンであれば、何れのパソコンからでもアプリケーションをインストールすることなく使用することが出来ます。


クラウドコンピユーティングは、各自のパソコンへのアプリケーションのインストールやバージョンアップが不要になり、手間を掛けずに同僚とデータの共有を容易に行えます。

作成したデータがネット上にあるので、万が一パソコンが壊れてもデータを消失することはありません。

このような仕組みを、安価に利用できるのがクラウドコンピューティングのメリットです。

Point

クラウドコンピューティングは、計算処理をするサーバーが、あたかも雲(クラウド)に遮られて、その所在が分からないかのようなので、『クラウド』と呼ばれるようになりました。